「たまたま見つけたんだ」ってさっき言ったけど

本当はずっと前から君を連れてきたかったんだ

キャンドルがやさしく揺れるこの店のカウンターで

君はうれしそうに彼にもらった指輪を眺めてる


君の心に僕の雫は落ちないけど

このバーボンとカシスソーダがなくなるまでは

君は君は僕のものだよね?


鍵をかけて時間をとめて君がここから離れないように

少しだけ酔い始めてるのかな 本当の気持ちだけど

君も少し酔ったほうがいい

そして僕の肩に寄りかかればいい


だけど全ての言葉をまた飲み干して

君から目をそらした


会話が途切れて二人の時間が彷徨うたび

きまって君は彼の話ばかりを繰り返す

君のことはどんなことでも知りたいはずなのに

言葉をさえぎるためだけに煙草に火をつけた


君のグラスは他の誰かで満たされてる

このバーボンとカシスソーダを飲み干したら

君は君は彼の胸に戻るの?


鍵をかけて終電を越えて君がこの店から帰れないように

今はただ独りよがりだけど本当の気持ちなんだ

君もいっそ酔ってしまえばいい

そして彼のことを忘れちゃえばいい

だけど残りのバーボンをいま飲み干して

時計の針を気にした


そりゃかなり酔っ払っているけどその責任は君なんだから

鍵をかけて終電を越えて時間をとめて


Ken Hirai


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言わずと知れた平井賢の名曲 even if


これ久しぶりに聞いてなんか急に泣きたくなってワンワン泣いてしまった。



この女の気持ち、すっごい分かる。



多分わざと”嬉しそうに指輪を眺めている”フリをしたんだ、と

バーボンを”男前に”飲み干してわざと”派手に”腕時計を見たのだ、と


この男はこの女にとって間違いなく something special で

でも、その気持ちは、恋愛とはちょっと違うもので

それについて別にどうの、ということもないんだけど


守らなければならないものを背負うことに決めたから

素敵で大事なものを捨てなければならないこともある


その素敵で大事なものを捨ててしまったことにあとから後悔するかもしれない


でもその素敵で大事な人が、もっと素敵で大事な誰かと一緒に歩き出すほうがずっと素敵だから


ただ、今は、少しだけ時間がとまればいい